不眠

不眠とは不安である。


不安は厄介だ。何しろ実体がない。いったい何に対して不安を抱くというのか?
それすら分からない。それが不安。

なぁるほぉどぉねぇぇ

さてさて、不眠だ。
不眠は困る。
ベッドに入って、電気を消して、さあ寝ようと思う。
あらら、眠れない。
いろんなことを考える。
考えが次々回る。
その段階はいいとして、ふと眠らなきゃと思う。
ここだ。
眠れない、しかし寝なきゃならない。
困った、眠れない。
眠るという意識の消失に逃げ込めない。
あたりは暗闇、何もない。
何もないという覚醒。
存在はするが、そこには何もない。
虚無か?
いや虚無ですらない。


かなり困る。
ただ、ある。
まだ考えがめぐっているうちはいい。
考えている自分がいる、コギトがある。
しかし、不眠であるという意識に支配されたとき、
コギトは消え、そこに残るのは不眠の私。
不眠の私は不眠であるという意識にさいなまれ
私という意識も消える。



ただ不眠。
ただある。